今回は自筆証書遺言の書き方の要件を説明します。
自分で書くと正しいのか間違っているのかが判断できません。
そこで自筆証書遺言の要件を説明します。
下記のポイントをチェックして有効な遺言書を作成しましょう。
自筆証書遺言の要件(民法第968条)
自筆証書遺言は、本人がすべて自分で書くことで効力が生じる遺言です。次の要件を満たしている必要があります。
1. 全文を自書(手書き)すること
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本人が自筆で書く必要があります。
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ワープロや代筆、録音は無効です。
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認知症などで意思能力がない場合は無効になる可能性があります。
※ただし、財産目録は自筆でなくてもOK(PC作成・通帳コピーなどでも可)。
2. 日付の記載
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作成した日を明確に記すこと(例:令和7年7月12日)。
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「2025年7月」「7月吉日」などは不明確で無効の可能性があります。
- 日付も自筆で書く必要があります。
3. 署名と押印
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本人の署名(氏名)と押印(印鑑)が必要です。
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認印でも可。ただし、実印が望ましいです。
4. 訂正の方式
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内容を訂正する場合は、法律に則った方法で訂正しなければなりません(訂正箇所に捺印し、訂正内容を明記)。
5. 保管方法に注意
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紛失や改ざんのリスクあり。
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2020年からは法務局での保管が可能(自筆証書遺言保管制度)。
注意点
項目 | 内容 |
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書式の不備 | 要件を満たさないと無効になることも |
家庭裁判所の検認 | 自筆証書遺言は原則、検認が必要 |
保管リスク | 紛失・改ざん・隠匿の可能性がある |
作成時の能力 | 判断能力が不十分な場合は争いの原因に |
まとめ
内容が比較的簡単なものについては単独で作成可能ではありますが、無効のリスクを避けるためには行政書士などの専門家のアドバイスが不可欠です。
相続・遺言についてご相談のある方は気軽に
行政書士 佐野徳司 RTT行政書士事務所
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