風営法許可申請の概略
私の実家は『大衆酒場』と『スナック』を経営しておりました。私自身は大学卒業後会社員となりましたが、大学時代には手伝うために「食品衛生責任者」の資格、のちに「調理師」免許をとりました。行政書士となった今では飲食店許可や深夜種類提供の届出などの申請業務をメインに行いたいと考えています。
今回はスナックや深夜(午前0時以降)にお酒を提供する店舗や接客を伴う営業許可申請の概略をご紹介いたします。
1. 風営法の対象
風営法の許可が必要となる営業は大きく次のように分かれます。
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風俗営業
- キャバクラ、スナック、バー(接待行為を伴う)
- ダンスホール、ナイトクラブ
- パチンコ店、マージャン店、ゲームセンター など
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特定遊興飲食店営業
(午前0時以降に客に遊興をさせ、かつ飲食をさせる営業)
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深夜酒類提供飲食店営業
(バーや居酒屋で午前0時以降も酒類を提供する営業)
※営業形態によって 許可申請 と 届出 に分かれる点に注意が必要です。
2. 許可を受けるための主な要件
① 人的要件
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- 欠格事由に該当しないこと(成年被後見人、破産者、一定の犯罪歴がある者などは不可)。
- 申請者本人や役員に欠格要件がないこと。
② 場所的要件
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- 学校や病院、児童福祉施設など一定施設の周囲にある「保護対象施設」からの距離制限。
- 用途地域制限(住居専用地域では不可など)。
③ 構造的要件
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- 店舗の構造、照度、客室の見通し確保、客室の床面積制限などの基準に適合していること。
3.許可申請の流れ
① 事前調査
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- 営業予定地が風営法上の立地制限・用途地域制限に適合しているか確認。
- 建築確認、消防法規制の確認も行う。
② 必要書類の準備
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- 許可申請書(警察署所定様式)
- 営業の方法を記した書類
- 申請者の住民票・登記簿謄本・身分証明書・誓約書
- 建物の図面(平面図、求積図、照明設備図 など)
- 近隣の配置図、用途地域証明書 等
③ 所轄警察署への申請
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- 営業所の所在地を管轄する警察署の生活安全課に提出。
④ 審査
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- 警察による調査・審査(現地確認含む)。
- 期間は通常55日程度。
⑤ 許可証の交付
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- 許可が下りると「風俗営業許可証」が交付される。
- 営業開始可能。
4. 注意点
- 許可を受けずに営業すると 無許可営業の処罰対象(2年以下の懲役または200万円以下の罰金など)。
- 許可後も定期的な営業報告、標識掲示、警察の立入検査への対応が必要。
- 名義貸しは違法。実際に営業する者が許可を受けること。
まとめ
申請書、必要書類、公的書類、図面などその他、飲食に係る許可申請など開店の準備と並行して行うのは大変な労力が掛かります。そのような手間と時間を行政書士などの専門家に任せてはいかがでしょうか。
飲食店営業許可・風営法に関する許可/届出についてご相談のある方は
行政書士 佐野徳司 RTT行政書士事務所
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