飲食店舗の設備について
墨田区・葛飾区・江戸川区・江東区・台東区における共通基準
飲食店の店舗基準は、衛生管理を徹底し食中毒を防ぐための要です。各区の重要ポイントを整理しました。
現在、東京都内の各保健所では「食品衛生法等の一部を改正する法律」に基づき、「共通基準」と「特定基準」が適用されます。
1.共通基準(全区共通)
・床・壁・天井
耐水性、不浸透性の材料(コンクリート、タイル等)で、清掃・消毒が容易なこと。
・手洗い器
厨房内に必須。洗浄消毒剤(液体石鹸)の備え付けと、指先まで洗える温水(給湯器)が強く推奨(実質必須)されています。
・シンク(器具洗浄)
原則として2槽以上。基準以上のサイズ(概ね幅45cm×奥行35cm×深さ18cm以上)が目安です。
・冷蔵庫の温度計
外部から確認できるデジタル式、または内部に設置。
・更衣場所
厨房外に設置し、清潔な作業着を保管できること。
2.各区の運用と特徴
各区、基本的なルールは同じですが、申請時の相談窓口や資料のまとめ方に特徴があります。
区名 |
運用の特徴・ポイント |
墨田区 |
墨田保健所では、HPで「営業許可・届出の手引」を詳細に公開しています。特に「墨田区暴力団排除条例」に関する誓約書の提出が許可時に求められる点が明示されています。 |
葛飾区 |
葛飾区保健所では、事前相談時に「図面」の持参を強く求めています。住宅密集地が多いため、換気扇の騒音や臭気に対する近隣配慮についても指導が入る傾向にあります。 |
江戸川区 |
江戸川保健所は、管轄が中央と小岩に分かれていましたが現在は統合されています。給水設備(受水槽)があるビルでの開業の場合、貯水槽の清掃記録などの確認が他区より厳しい場合があります。 |
江東区 |
江東区保健所は、豊洲市場を抱えるお国柄、衛生管理への意識が非常に高いです。申請はオンライン(食品衛生申請等システム)を推奨しており、窓口での対面相談は予約制が基本です。 |
台東区 |
台東保健所(上野・浅草エリア)は、古い建物での改装開業が多く、「床の防水」と「ねずみ対策」の指導が重点的です。観光地ゆえに多言語対応の掲示物なども相談可能です。 |
3.各保健所が共通で厳しくチェックする「3大ポイント」
ご提示いただいた資料の中でも、特にこれら5区の現地調査で指摘されやすい項目です。
⑴ 手洗い器の非接触化
最近のトレンドとして、レバー式やセンサー式の水栓が推奨されています(手でハンドルを回すタイプは、洗った後に再度汚れるため)。
⑵ 扉付きの食器戸棚
洗浄後の食器を保管する場所は、必ず「扉付き」でなければなりません。オープンシェルフは認められません。
⑶ ゴミ箱の構造
厨房内のゴミ箱は、手を使わずに開けられる「足踏み式」であることが必須です。
4.行政書士としての実務アドバイス
これら5区で手続きを行う際、以下の順序で進めるのが最もスムーズです。
⑴ 工事着工前の図面相談
内装工事が始まってからでは修正が困難です。シンクの数や手洗い器の位置を、図面段階で保健所担当者に確認させることが「差し戻し」を防ぐ鍵です。
⑵ 水質検査成績書(貯水槽使用の場合)
ビルやマンションの1階で開業する場合、ビルオーナーから最新の水質検査結果を取り寄せておく必要があります。
⑶ 食品衛生責任者の確保
許可証が交付されるまでに、講習を受講済み(または受講申し込み済み)である必要があります。
まとめ
各区共通の基準を守りつつ、着工前の図面相談が重要です。保健所の指摘を未然に防ぎ、円滑な開業を目指しましょう。

