無店舗型性風俗特殊営業 届出における実務上の詳細ポイントについて
改正風営法やDX化を踏まえ、実務で不可欠な「使用権原の証明」や「本人確認の真正性」を軸に解説します。
1.営業所(事務所)の適法性と「使用権原」の証明
⑴ 用途地域の厳守
住居専用地域だけでなく、地域によっては「文教地区」等による制限もあります。
⑵ 承諾書の精度
賃貸の場合、単なる「事務所利用」の契約だけでは不十分なケースが増えています。警察側から「性風俗営業に使用することをオーナーが承諾しているか」の確認を求められることがあるため、特約事項の記載や別途承諾書を準備するのが安全です。
2.管理者の選任と「欠格事由」の厳密な確認
⑴ 欠格事由の範囲
過去5年以内の風営法違反だけでなく、アルコール中毒、麻薬中毒、精神機能の障害(意思疎通が困難な場合)なども含まれます。
⑵ 身分証明書
市区町村発行の「身分証明書(破産者・準禁治産者でない証明)」と、法務局発行の「登記されていないことの証明書」の両方が必要です。
3.待機所の定義と「店舗型」との境界線
⑴ 実態判断の回避
待機所にシャワー室を設けたり、客が待機所に立ち入ったりする構造は、実態として「店舗型」とみなされます。
⑵ 構造の制限
改正法下でも、待機所はあくまで従業員の休憩場所であり、客との接触は一切禁じられます。待機所の図面提出が必要な自治体も多いため、正確な実測図を準備してください。
4.届出書の記載内容と「オンライン申請」の活用
⑴ 行政手続のデジタル化
現在、警察行政手続サイトを通じて一部の届出がオンラインで可能です。ただし、添付書類の原本確認が必要な場合もあり、所轄の警察署(生活安全課)との事前調整が不可欠です。
⑵ 記載の整合性
営業所の名称(屋号)が、ホームページや看板と完全に一致している必要があります。
5.添付書類 本人確認の「真正性」確保
⑴ 写真の規格
管理者の写真は「6ヶ月以内に撮影」「無帽・正面・上三分身」「無背景」など、パスポート並みの規格が求められます。
⑵ 誓約書の内容
暴力団排除条項、欠格事由に該当しない旨の誓約を、最新の様式で行う必要があります。
6.派遣範囲の明確化と「他県への影響」
⑴ 都道府県境を越える場合
派遣先が隣接する都道府県に及ぶ場合、その地域が派遣禁止区域(学校の周辺など)にかかっていないか、自ら把握しておく責任があります。
⑵ 届出先の特定
営業所が所在する都道府県の公安委員会(警察署)に届け出ますが、派遣先でのトラブルも管轄警察に把握されるリスクを認識してください。
7.猶予期間「10日前」と「実地調査」の覚悟
⑴ 提出期限の厳守
改正法後も、営業開始の10日前までの届出義務は絶対です。
⑵ 実地調査
届出後、営業開始前に警察官が事務所を訪問し、図面との整合性やアルコールチェッカー(送迎車がある場合)の有無、従業者名簿の準備状況を確認することが一般的になっています。
8.ネット広告・HPの「不当表示」対策
⑴ 特定商取引法の意識
料金の明示、キャンセル規定の明示も重要です。
⑵ 児童・過剰宣伝の禁止
18歳未満排除の表示はもちろん、「誇大広告」や「性交等の禁止」の明示がない場合、行政指導の対象になりやすくなっています。
9.従業員名簿の「厳格管理」と「本人確認」
⑴ 身分証の偽造対策
在留カードの偽造や、他人のマイナンバーカード利用によるトラブルが増えています。「目視確認」だけでなく、厚労省推奨の「在留カード読み取りアプリ」の活用など、雇用時の確認プロセスを書類に残しておくことが、経営者のリスクヘッジになります。
⑵ 3年間の保存義務
退職後も3年間は名簿と確認書類(写し)の保管が法律で義務付けられています。
10.変更届のスピード対応
⑴ 10日以内の原則
管理者の交代や住所変更などは、事後10日以内に届け出なければなりません。
⑵ 欠格事由の事後発生
管理者が万が一逮捕されたりした場合、即座に解任・変更手続きを行わないと、営業停止処分を受けるリスクがあります。
重要 改正風営法等に関連する追加アドバイス
「送迎」に関する規制の明確化 自社でドライバーを雇用し従業員を派遣する場合、アルコールチェックの実施記録や、白タク行為(客から運賃を取る行為)の厳禁など、道路交通法との兼ね合いも非常に厳しくチェックされる傾向にあります。
まとめ
適法な営業には警察との事前調整と厳格な名簿管理が鍵です。法令を遵守し、リスクのない経営を目指しましょう。
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行政書士 佐野徳司 RTT行政書士事務所
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