はじめに
2025年のメルカリ規約改定に伴い、個人アカウントでの営利目的利用が厳格に制限されました。
中古品ビジネスを継続・新規開始するには「メルカリShops」への移行と「古物商許可」の取得が不可欠です。
本記事では、最新の規制を踏まえた適法運用の注意点から、古物商許可が必要となる具体的な13業種、さらには個人・法人別の申請手続きまで徹底解説します。
正しく手続きを整え、安心してビジネスを展開しましょう。
1.メルカリ規約改定の注意点と継続方法
メルカリはプラットフォームの健全化を目的に規約改定を実施し、従来の運用ルールを明文化・厳格化しました。
⑴ 規約改定の主な内容
➀ 「事業者」による個人アカウント利用の禁止
営利目的で反復・継続して出品を行う事業者(法人・個人事業主)は、通常のメルカリアプリ(個人用アカウント)を利用できなくなりました。
➁ 個人アカウントは「不用品処分」のみが対象
自身の不要品を処分する出品は引き続き可能ですが、転売目的の仕入れを行っている場合は事業者とみなされ制限対象となります。
⑵ 古物商営業を続けるための2大要件
メルカリで中古品販売ビジネスを継続するには、以下の対応が必要です。
➀ メルカリShopsへの登録
事業として中古品を扱う場合は、専用アカウントの開設が必要です。
➁ 古物商許可証の提出(必須)
メルカリShopsで中古品を出品・販売する際、古物商許可証の画像提出による審査が行われます。無許可営業の排除が徹底されています。
⑶ 法的運用における注意点(本人確認の壁)
古物営業法上、仕入れの際には相手方の本人確認義務が課されます。
しかし、フリマアプリの仕組み上、相手の真実の名簿等を厳格に確認することは困難です。
警察庁からも「フリマアプリでの仕入れは適法な本人確認が極めて難しい」という見解が出されており、
「メルカリで仕入れてメルカリで売る」ビジネスモデルの運用には法的留意が必要です。
2.古物商許可が必要な13品目・対象業種一覧
「中古品・古物を売る目的で扱うすべての業種」において、ネット販売や小規模転売であっても営利目的であれば古物商許可が必要です。扱う物品により13の区分に分かれています。
第1号:美術品類
➀ 骨董商 / 古美術商 / 画廊・アートショップ
➁ 掛軸・陶磁器・茶道具販売業 / アンティーク家具店
第2号:衣類
➀ 古着屋 / ブランド古着店 / 着物販売・リサイクル業
➁ 靴・バッグ・帽子の中古販売店 / 制服・コスプレ衣装販売業
第3号:時計・宝飾品類
➀ ブランド品買取販売店 / 中古時計販売店(ロレックス等)
➁ 宝石・貴金属買取販売業 / ジュエリーリユース業 / ブランドバッグ販売業
第4号:自動車
➀ 中古自動車販売店 / 自動車整備工場(中古車販売を行う場合)
➁ 車両解体業(部品再販を行う場合) / 自動車部品販売業 / カー用品リユースショップ
第5号:自動二輪車・原付
➀ 中古バイク販売店 / バイク用品リユース店
➁ 二輪整備業(中古販売あり) / バイクパーツ販売店
第6号:自転車類
・ 中古自転車販売店 / 自転車リサイクル業 / 自転車パーツ・アクセサリー中古販売店
第7号:写真機類
➀ 中古カメラ販売店 / レンズ専門店 / ドローン販売店(撮影用)
➁ ビデオカメラ中古販売業 / 写真機材リユース業
第8号:事務機器類
➀ 中古パソコンショップ / OA機器販売店(コピー機・FAX・プリンターなど)
➁ オフィス家具販売業 / リユースオフィス機器業
第9号:機械工具類
➀ ミシン販売店 / 建設機械販売業 / 電動工具販売店
➁ 農機具リユース業 / 発電機・溶接機中古販売業 / 機械整備業(中古販売あり)
第10号:道具類
➀ 総合リサイクルショップ / 中古家具・家電販売店 / 中古楽器店
➁ スポーツ用品店(中古取扱あり) / フィギュア・おもちゃ・模型販売店
➂ トレーディングカードショップ / 中古キャンプ用品販売店 / ベビー用品リユースショップ
第11号:皮革・ゴム製品類
➀ ブランドバッグ販売店 / 革靴・財布・ベルト中古販売業
➁ タイヤ・ホイール販売業 / レザー製品リユースショップ
第12号:書籍
・ 古本屋 / 古書店 / 中古コミックショップ / 同人誌販売店 / 専門書リユースショップ
第13号:チケット類
・ 金券ショップ / チケット売買業 / 商品券・ギフト券・旅行券販売業 / 図書カード・映画券取扱店
その他(上記にまたがる業態)
➀ ネットショップ運営者(中古品を扱う場合)
➁ フリマ・オークション転売業(メルカリ・ヤフオク等)
➂ 不用品回収業(買取して再販する場合)
➃ 委託販売・代行販売業
3.個人申請と法人申請の違い・手続きの流れ
古物商許可を「個人」で取得するか「法人」で取得するかによって、必要書類や審査対象範囲が異なります。
⑴ 個人申請と法人申請の比較
項目 |
個人申請 |
法人申請 |
許可の主体 |
申請者本人 |
会社そのもの |
書類の対象者 |
本人 + 管理者 |
役員全員 + 管理者 |
必要書類 |
比較的シンプル |
履歴事項全部証明書・定款が必要 |
欠格事由の確認 |
本人のみ |
役員が1人でも欠格事由に該当すると不許可 |
名義の注意点 |
本人のみ使用可能 |
代表者が変わっても会社として継続可能 |
法人申請での特別留意点
➀ 役員全員の書類が必要
監査役を含む役員全員分の「住民票」「身分証明書」「略歴書」「誓約書」が必要です。遠方居住者がいる場合は書類取り寄せに時間を要します。
➁ 事業目的の記載
定款の事業目的に「古物営業を営む」旨の記載が必要です。記載がない場合は事前変更手続きが必要です。
➂ 管理者の選任
営業所ごとに常勤性のある「管理者(実務責任者)」を置く必要があります(代表者の兼務も可)。
⑵ 申請の具体的な流れと費用
➀ 許可要件の確認(営業所の確保、欠格事由チェック、定款確認)
➁ 警察署への事前相談(管轄警察署の生活安全課)
➂ 公的書類の取得(住民票、身分証明書、登記事項証明書等)
➃ 申請書類の作成(申請書、略歴書、誓約書、URL疎明資料等)
➄ 管轄警察署への提出
➅ 審査(標準処理期間:約40日/土日祝除く、実質2ヶ月程度)
➆ 許可証の交付・営業開始
費用目安
➀ 申請手数料
19,000円(都道府県警察の証紙代)
➁ 各種証明書発行手数料
住民票、登記事項証明書など1枚300円〜600円程度
おわりに
メルカリの規制強化により、中古品ビジネスを適法に行うには「古物商許可の取得」と「メルカリShopsへの移行」がセットで必須となりました。
特に法人申請では役員全員の書類収集や定款の確認など手続きが複雑化します。
不備なくスピーディーに許可を取得し、安心して本業に専念するためにも、書類作成や申請手続きにお困りの際は専門家である行政書士へぜひご相談ください。
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