行政書士 佐野徳司 RTT行政書士事務所

【行政書士解説】レンタカー事業許可(自家用自動車有償貸渡業)の手続きの流れ・要件と車両登録・車検期間の実務

はじめに

 

レンタカー事業(自家用自動車有償貸渡業)を始めるには、道路運送法に基づく運輸支局長の許可が必要です。

 

観光需要や代車ビジネスの展開において注目される一方、車両登録や車検周期には一般的な自家用車とは異なる重要な実務上の留意点が存在します。

 

本記事では、申請手続きの流れや許可要件に加え、「わ」ナンバーの登録制度や車検有効期間が1年となるルールについて、行政書士の実務目線から詳しく解説します。

 

 

1.レンタカー事業許可の全体的な手続きの流れ

 

⑴ 事前準備から営業開始までのステップ

 

① 営業計画の策定と要件確認

・事業計画(使用車両数、保管場所、管理体制)の確定

・事務所、駐車場、任意保険の加入見込み等の条件整備

 

② 申請書類の作成および運輸支局への提出

・管轄の運輸支局(輸送担当窓口)へ申請書一式を提出

・標準処理期間は約1ヶ月程度

 

③ 許可書の交付および登録免許税の納付

・許可取得後、登録免許税(90,000円)の納付

 

④ レンタカー(わナンバー)への車両登録

・運輸支局の登録窓口にて貸渡用への用途変更・番号変更

 

⑤ 営業開始および関係機関への届出

・料金表の掲示、貸渡簿の備え付け、営業開始

 

2.クリアすべき主な許可要件

 

⑴ 人に関する要件(欠格事由と管理者体制)

 

① 申請者等の欠格事由

・申請者(法人の場合は役員全員)が、道路運送法等の違反により懲役や罰金を受けてから2年を経過していないこと。

・過去2年以内にレンタカー事業の許可取消処分を受けていないこと。

 

② 責任者の配置

・整備管理者:保有車両台数が10台以上(大型車等は5台以上)の場合、有資格者の選任が必要。

・事務所ごとに貸渡責任者を配置し、適切な運行管理と顧客対応を行える体制を整えること。

⑵ 場所に関する要件(営業所および車庫)

 

① 営業所の設置

・使用権原を有していること(自己所有または3年以上の賃貸借契約など)。

・建築基準法や都市計画法などの関係法令に抵触していないこと。

 

② 車庫(保管場所)の確保

・営業所から原則として直線2キロメートル以内にあること。

・配置する車両すべてが収容できる面積を有すること(例:普通乗用車1台あたり概ね15平方メートル程度)。

・前面道路の幅員が出入庫に支障のない広さであること。

⑶ 車両および補償に関する要件

 

① 対象車両の種別

・自家用乗用車、マイクロバス(要件が厳格)、貨物車、二輪車などが対象。

 

② 任意保険等の加入要件

・対人賠償:1名につき8,000万円以上(実務上は無制限が推奨)

・対物賠償:1事故につき200万円以上

・搭乗者傷害:1名につき500万円以上。

 

3. 車両登録(わナンバー)の実務と車検有効期間

 

⑴ レンタカー登録の手続きと固有の制限

 

① 登録窓口での手続き

・「レンタカー許可書」および「レンタカー事業者証明書」等を添えて登録窓口へ申請し、用途を「自家用」から「貸渡用」へ変更します。

・通常は順番に指定される「わ」ナンバー(または「れ」ナンバー)が払い出されます。

 

② 希望ナンバー制度の対象外

・貸渡用車両(レンタカー)には希望ナンバー制度が適用されないため、任意の番号を指定することはできません。自動的に払い出される一連指定番号を使用します。

 

③ 封印の取り付け

・車両を持ち込みリアプレートへ封印を受けるか、行政書士による出張封印等を利用してナンバーを取り付けます。

⑵ レンタカーの車検有効期間(乗用車は1年車検)

 

① 有効期間のルール

・一般的な自家用乗用車は新車時3年、以降2年ごとの車検となりますが、レンタカー(乗用車)は新車登録時・継続検査時ともに有効期間が「1年」となります。

・既存の自家用車(車検残が1年以上ある車両)をレンタカーへ用途変更した場合、車検の残り期間は「最大1年」に短縮されます。

 

② 車両管理上の留意点

・毎年車検を受ける必要があるため、法定費用や整備コスト、車両の稼働計画を自家用車以上に厳密に見込んでおく必要があります。

まとめ

 

レンタカー事業は許可取得のみならず、車両を「わナンバー」へ登録した後の運用管理にも細かな注意が必要です。

特に希望ナンバーが使えない点や、乗用車の車検が毎年(1年周期)となり維持コストや点検スケジュールが自家用車と大きく異なる点は、事業収支計画を立てるうえで見落としてはならない実務ポイントです。

関係法令や車両登録の仕組みを正確に把握し、無理のない計画で開業を進めることが重要となります。

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