行政書士 佐野徳司 RTT行政書士事務所

【2026年7月最新】民泊規制強化についての(上乗せ条例)まとめ【墨田区・葛飾区・江東区・江戸川区・台東区】

はじめに

 

墨田区・葛飾区・江東区・江戸川区・台東区で民泊(住宅宿泊事業)を検討されている方へ、令和8年(2026年)7月現在の最新規制情報をまとめました。

 

2026年は城東エリアの民泊事情において大きな転換期となっています。

 

今年4月の墨田区・葛飾区の条例施行に続き、7月1日からは江戸川区でも新条例が施行され、東京23区全域で上乗せ規制が出揃う形となりました。

 

以前は「規制が緩やか」とされていた地域でも営業日数の大幅制限や管理体制の厳格化が本格運用されています。

 

新規参入はもちろん、既存施設の運用見直しにおいても最新ルールの把握が不可欠です。

 

1.全地域共通の法的要件(住宅宿泊事業法)

 

まず、どの地域でも遵守すべき国の基本ルールをおさらいします。

 

➀ 営業日数の制限

年間180日以内(毎年4月1日~翌年3月31日までのカウント)

 

➁ 届出義務

都道府県または保健所設置区への事前届出が必須

 

➂ 管理体制の委託

家主不在型の場合、国土交通省登録の住宅宿泊管理業者への委託が義務

 

➃ 安全確保措置

自動火災報知設備や非常用照明器具などの消防設備設置が必須

 

➄ 宿泊者名簿の作成

宿泊者名簿を作成し、3年間保存する義務

 

2.令和8年7月現在 各区の上乗せ条例と最新動向

 

2026年4月および7月に相次いで新条例が施行されたことで、城東エリアの運用状況は大きく変わりました。

 

⑴ 墨田区(令和8年4月1日 施行済み)

これまで強い制限がなかった墨田区ですが、2026年4月より厳格な規制がスタートしています。現在総量規制で新規が認められていないという

 

➀ 営業制限

 区内全域で平日(月曜正午〜金曜正午)の営業が原則禁止となっています。

 

➁ 例外規定

事業者が施設内や周辺に常駐し即応できる場合に限り、平日営業(180日制限内)が認められます。

 

➂ 事前手続と標識

近隣住民への説明会開催や、区が交付する独自標識の掲示が義務付けられています。

 

⑵ 葛飾区(令和8年4月1日 施行済み)

 

葛飾区でも2026年4月に「葛飾区住宅宿泊事業の適正な運営の確保に関する条例」が全面施行されました。

 

➀ 営業制限と管理体制

住居専用地域等での営業制限に加え、家主不在型に対する駆けつけ体制の明確化や維持管理基準が厳格化されています。

 

➁ 事前説明

新規届出時には近隣住民への事前説明手続が必要となります。

 

⑶ 江東区(運用継続中)

 

以前からの厳しいルールが継続して適用されています。

 

➀ 営業制限

区内全域で月曜正午〜土曜正午は営業禁止です。祝日や年末年始を除き、実質的に週末中心の営業となります。

 

➁ 管理体制

 家主不在型は30分以内に現場へ駆けつけられる体制が必要です。

 

⑷ 江戸川区(令和8年7月1日 施行済み)

 

上乗せ条例のなかった江戸川区ですが、今月(2026年7月1日)より新条例が施行されました。

 

➀ 区域制限

住居専用地域および住居地域では、家主不在型民泊の新規開設が制限(実質不可)されています。

 

➁ 事前周知の義務化

対面での事前説明(説明会開催または戸別訪問)や区の講習会参加が必須となりました。

 

③ 標識掲示と記録保存

区指定の標識掲示や、苦情対応記録の3年間保存、区ホームページでの施設公表制度が導入されています。

 

⑸ 台東区(運用継続中)

 

23区トップクラスに厳しい条例が引き続き運用されています。

 

➀ 営業制限

家主不在型で管理者が常駐しない場合、営業可能なのは土曜正午〜月曜正午・祝日・年末年始のみです。

 

➁ 管理者常駐型

施設に管理者が常駐する場合に限り、年間180日の営業が認められます。

 

➂ 設備基準

玄関窓口(帳場)の設置義務など、ホテル並みの設備要件が課されます。

 

3.城東5区の最新規制比較

 

対象区

主な制限内容

施行状況

墨田区

原則平日営業禁止(常駐等の例外あり)

令和8年4月より施行中

葛飾区

住居地域での制限・事前説明・体制強化

令和8年4月より施行中

江東区

月曜正午〜土曜正午の営業禁止

継続運用中

江戸川区

住居系地域での不在型制限・対面説明義務

令和8年7月より施行中

台東区

不在型は週末・祝日のみ(常駐型は180日可)

継続運用中

 

4.これからの民泊事業で検討すべきポイント

 

令和8年の規制強化が出揃った現在、今後の民泊経営・投資計画には以下の視点が不可欠です。

 

➀ 旅館業許可(簡易宿所・ホテル営業)への転換検討

年間180日の制限や平日営業の禁止を回避し、通年営業(365日稼働)を目指す場合は、民泊から「旅館業許可」への転換が有力な選択肢となります。

 

ただし、自治体によっては旅館業側にも常駐・駆けつけ要件の強化が進んでいるため、建築基準法や消防法と併せた事前調査が必要です。

 

➁ 収益シミュレーションの再検証

平日営業が制限されるエリア(墨田区・江東区・台東区など)では、最大稼働日数が大幅に減少します。

 

週末のみの稼働で家賃、清掃費、管理委託費などの固定費をカバーし、利益を出せる構造になっているか、現実的な試算への切り替えが必要です。

 

まとめ

 

2026年7月現在、城東エリアにおける民泊事業は「届出を出せば始められる」フェーズから、「各区の厳格な条例をクリアし、高度な管理体制を維持する」フェーズへと完全に移行しました。

 

新規で物件を取得・改修される方はもちろん、既存物件の継続運営でお悩みの場合も、計画の早い段階で最新のガイドラインを確認し、専門家や行政窓口に相談されることをおすすめします。

 

旅館業・民泊等 許認可申請についてご相談のある方は

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