はじめに
自動車の登録に欠かせない車庫証明ですが、2025年4月のステッカー廃止に続き、2026年1月には改正行政書士法が施行され、手続きや代行ビジネスを取り巻く環境は大きく変化しています。
本記事では、最新のルールに基づいた車庫証明の申請方法や必要書類、手続きの流れを分かりやすく解説します。
さらに、法改正によって自動車販売店や整備工場が直面する「登録代行リスク」についても触れ、安全で確実な手続きのポイントをお届けします。
1.車庫証明の基礎知識と最新の変更点
車庫証明(自動車保管場所証明)は、自動車の保管場所を確保していることを証明する書類です。
新規登録、名義変更(移転登録)、住所変更(変更登録)などの際に、運輸支局へ提出する必要があります。
まずは、基本ルールと2025年4月からの変更点を確認しましょう。
⑴ 基本的なルール
➀ 距離制限
自宅などの「使用の本拠」から保管場所まで、直線距離で2km以内である必要があります。
➁ 対象
普通車は原則必須です(軽自動車は地域により届出制)。
③ スペースの確保
駐車スペースが狭く、車両の一部が道路にはみ出す場合や、シャッターが閉まらない状態では許可されません。
自宅敷地に複数台駐車する場合は、車ごとに申請が必要です。
⑵ 2025年4月からの重要変更点(ステッカーの廃止)
法改正により、車庫証明にまつわる慣習が大きく変わりました。
➀ 保管場所標章(ステッカー)の廃止
車のリヤウィンドウ等に貼る義務があったステッカー自体が廃止されました
。
➁ 標章交付手数料の廃止
これまで申請手数料とは別に必要だった「標章交付手数料(500円程度)」が不要になり、費用負担が軽減されました。
③ 貼付義務の消滅
新規にステッカーを貼る必要はありません(既に貼ってあるステッカーを無理に剥がす必要はありません)。
2.車庫証明の申請手続き
⑴ 申請先
・ 保管場所の所在地を管轄する警察署(交通課)
※受付は平日の日中のみとなります。
⑵ 必要書類と入手先
書類は各都道府県警察の公式サイトからダウンロードするか、警察署の窓口で入手できます。
➀ 自動車保管場所証明申請書
➁ 保管場所の所在図・配置図
(自宅から車庫までの地図と、駐車位置の配置図)
③ 使用権原を疎明する書面(以下のいずれか)
・ 自己所有の土地・建物
自認書
・ 賃貸・他人の土地・月極駐車場
使用承諾書(または駐車場賃貸借契約書の写しで代用可能な場合あり
)
➃ 手数料分の都道府県収入証紙(約2,000円〜2,700円 ※地域により異なります)
※書庫証明を申請できるのは使用者本人(家族)か行政書士
⑶ 手続きの流れと期間
➀ 書類作成・準備
配置図などは現地を計測し、正確に記入します。
➁ 警察署へ申請
管轄の警察署窓口へ提出し、証紙代を支払います。
③ 現地調査・審査
警察による実地確認が行われます。
➃ 証明書の受取
おおむね3日〜1週間後、指定された交付日に警察署で「保管場所証明書」を受け取ります。
➄ 運輸支局での登録
交付からおおむね1か月以内に運輸支局での登録手続きを済ませる必要があります。
3.【重要】令和8年1月施行「改正行政書士法」と登録代行リスク
2026年(令和8年)1月1日に施行された改正行政書士法により、自動車販売店や整備工場がこれまで「サービスの一環」や「業界の慣習」として行ってきた車両登録・車庫証明の代行業務は、法的に極めて厳格に制限されることになりました。
⑴ 改正の核心:第19条(業務の制限)の強化
非行政書士が報酬を得て官公署提出書類を作成することは、行政書士法で禁止されています。今回の改正により、この制限がさらに厳格化されました。
➀ いかなる名目であっても「報酬を得る行為」は禁止
「登録代行料」という名目でなければ良いという解釈は通用しません。
車両販売や車検といったビジネス全体の中で実質的な対価が発生しているとみなされれば、無資格代行として違法と判断されるリスクが非常に高くなります。
➁ 両罰規定の導入によるリスク増大
実際に行為を行った従業員だけでなく、所属する法人も罰せられる「両罰規定」が導入されました。
違反した場合は「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」の対象となり、企業の社会的信用失墜やコンプライアンス違反による指名停止など、経営に致命的なダメージを与える可能性があります。
⑵ 今後の自動車業界に求められる対応
違法リスクを回避するため、販売店や整備工場は以下のいずれかの対応へシフトしていく必要があります。
➀ 書類作成の完全分離
書類作成の代行は一切行わず、ユーザー自身に作成してもらう(または作成済み書類の持参のみに徹する)。
➁ 行政書士への完全委託
登録や車庫証明業務を、地域の行政書士へ外注・連携する(最もコンプライアンス上安全な方法です)。
まとめ
2025年のステッカー廃止で利便性は向上したものの、車庫の確保義務や正確な書類作成の重要性は変わりません。
さらに2026年1月の改正行政書士法の施行により、販売店様による無資格代行のリスクは劇的に高まりました。
確実かつコンプライアンスを遵守した手続きを進めるためにも、平日に動くのが難しい一般のユーザー様、そして法適合なビジネスモデルを構築したい自動車事業者様は、ぜひ「車庫証明と登録のプロ」である行政書士へご相談ください。

