はじめに
ママやマスターがお客様の横に座って接客するスナックを開業するには、保健所の「飲食店営業許可」と警察署の「風営法1号許可」という2つの関門をクリアする必要があります。
これらを正しい順番で進めないと、内装のやり直しが発生したり、厳罰化された無許可営業として重い罰則を受けたりするリスクがあります。
今回は物件選びから2つの許可を取得し、安心してスナックをオープンするまでの全手順を分かりやすく解説します。
1.スナック開業を叶える!飲食店許可から風営法1号許可までの全手順
スナックを開業するためには、必ず「飲食店営業許可」を先に取得し、その後に「風営法1号許可」を申請するという順番を守る必要があります。
ステップ1
物件選定と風営法・保健所要件の事前調査
まずはスナックを開く物件を探しますが、契約前に以下の要件を満たしているか必ず確認します。
➀ 風営法の場所要件
近くに学校や病院、図書館などの保護対象施設がないか(商業地域なら一般的に50m以上離れている必要があります)。
➁ 保健所の設備要件
厨房に2槽シンクや手洗い場、扉付きの食器棚などが設置できるスペースがあるか。
ステップ2
店舗の内装工事と保健所への飲食店営業許可申請
物件を契約したら、内装工事を進めると同時に、管轄の保健所へ「飲食店営業許可」の申請を行います。
➀ 内装工事が完了する数日前に、保健所の担当者が店舗へ来て「施設検査」を行います。
➁ シンクの数や手洗い場の消毒液、床や壁の素材などが基準を満たしていれば、数日〜1週間程度で「飲食店営業許可書」が交付されます。
ステップ3
風営法申請のための図面作成と書類収集
飲食店営業許可書が手元に届いたら、すぐに風営法の申請準備に移ります。
警察署への申請で最も重要なのが、客席や厨房の面積を数センチ単位で正確に測量した「平面図」や「求積図」などの図面作成です。
あわせて、物件の賃貸借契約書や使用許諾書、営業者の住民票や身分証明書など、膨大な添付書類を揃えます。
ステップ4
管轄警察署への風営法1号許可申請と現地調査(浄化実査)
店舗の所在地を管轄する警察署の生活安全課へ、書類と図面を一式提出します。
➀ 書類が正式に受理されると、土日祝日を除いて約55日間の審査期間がスタートします。
➁ 申請から1週間〜3週間ほど経つと、担当警察官や風俗環境保全協会の調査員がお店に直接やってきて、提出した図面通りに内装が作られているか、店内の明るさ(5ルクス以上)が保たれているかなどを細かく計測します。
ステップ5
風営法許可証の交付とスナックのオープン
審査が無事に終わると、警察署から連絡が入り「風俗営業許可証」が交付されます。
この許可証を受け取ったその日から、いよいよカウンター越しやボックス席での接待を伴うスナック営業をスタートすることができます。
2.2026年現在の重要な注意点
近年、法改正によって無許可営業への取り締まりが非常に強化されています。
「飲食店許可だけ取れたから、風営法の許可が出るまでこっそりスナック営業をしよう」という違法行為は絶対にNGです。
無許可営業が発覚した場合、法人の場合は最大3億円の罰金が科されるなど、お店を失うだけでなく莫大なペナルティを受けることになります。
必ず両方の許可が出揃ってからオープンさせてください。
おわりに
スナック開業に必要な2つの手続きは、保健所と警察署でそれぞれ基準が異なり、非常に専門性が高いものです。
特に風営法の図面作成や場所の調査は、わずかなズレや見落としが原因で許可が出ないケースもあり、その間の家賃リスクも発生してしまいます。
安心して長く愛されるスナックのスタートを切るためには、事前の物件調査から申請まで、風営法に強い専門の行政書士へ相談しながら進めるのが最も確実で賢い選択です。

