はじめに
中古品ビジネスを始めるには古物商許可が不可欠です。2025年のメルカリ規約改定に伴う法的な注意点や、13の対象業種、警察署への申請手続き・必要書類まで、行政書士が分かりやすくまとめて解説します。
1.古物商許可が必要な業種一覧(全13品目)
中古品・古物を売る目的(営利目的)で扱うすべての業種は、古物営業法に基づき、以下の13の区分(品目)に応じた許可が必要です。
区分 |
主な該当業種・取扱商品 |
第1号:美術品類 |
骨董商、古美術商、画廊・アートショップ、掛軸・陶磁器・茶道具販売業、アンティーク家具店 |
第2号:衣類 |
古着屋、ブランド古着店、着物販売・リサイクル業、靴・バッグ・帽子の中古販売店、制服・コスプレ衣装販売業 |
第3号:時計・宝飾品類 |
ブランド品買取販売店、中古時計販売店(ロレックス等)、宝石・貴金属買取販売業、ジュエリーリユース業、ブランドバッグ販売業 |
第4号:自動車 |
中古自動車販売店、自動車整備工場(中古車販売を行う場合)、車両解体業(部品再販を行う場合)、自動車部品販売業、カー用品リユースショップ |
第5号:自動二輪車・原付 |
中古バイク販売店、バイク用品リユース店、二輪整備業(中古販売あり)、バイクパーツ販売店 |
第6号:自転車類 |
中古自転車販売店、自転車リサイクル業、自転車パーツ・アクセサリー中古販売店 |
第7号:写真機類 |
中古カメラ販売店、レンズ専門店、ドローン販売店(撮影用)、ビデオカメラ中古販売業、写真機材リユース業 |
第8号:事務機器類 |
中古パソコンショップ、OA機器販売店(コピー機・FAX・プリンターなど)、オフィス家具販売業、リユースオフィス機器業 |
第9号:機械工具類 |
ミシン販売店、建設機械販売業、電動工具販売店、農機具リユース業、発電機・溶接機中古販売業、機械整備業(中古販売あり) |
第10号:道具類 |
総合リサイクルショップ、中古家具・家電販売店、中古楽器店、スポーツ用品店、フィギュア・おもちゃ・模型販売店、トレーディングカードショップ、中古キャンプ用品販売店、ベビー用品リユースショップ |
第11号:皮革・ゴム製品類 |
ブランドバッグ販売店、革靴・財布・ベルト中古販売業、タイヤ・ホイール販売業、レザー製品リユースショップ |
第12号:書籍 |
古本屋、古書店、中古コミックショップ、同人誌販売店、専門書リユースショップ |
第13号:チケット類 |
金券ショップ、チケット売買業、商品券・ギフト券・旅行券販売業、図書カード・映画券取扱店 |
その他(上記にまたがる業態)
・ネットショップ運営者(中古品を扱う場合)
・フリマ・オークション転売業(メルカリ・ヤフオク等)
・不用品回収業(買取して再販する場合)
・委託販売・代行販売業
2.メルカリ規約改定(2025年10月)と古物営業法の注意点
近年、ネット販売や小規模な転売でも、営利目的であれば一律で古物商許可の対象となっています。特にメルカリの規約改定には注意が必要です。
⑴ 規約改定の主な内容
➀ 「事業者」による個人アカウント利用の禁止
営利目的で反復・継続して出品を行う「事業者(法人・個人事業主)」は、通常のメルカリアプリ(個人用アカウント)を利用できなくなりました。個人アカウントは「不用品処分」のみが対象です。
➁ メルカリShopsへの登録と許可証の提出(必須)
古物商として中古品を販売し続けるには、メルカリShopsのアカウントを開設し、古物商許可証の画像を提出して審査を受ける必要があります。これにより無許可営業の締め出しが強化されています。
⑵ 古物営業法上のハードル(本人確認義務の壁)
フリマアプリでの仕入れには法的なリスクが伴います。
➀ 古物営業法では、仕入れの際に相手の本人確認を行う義務があります。
➁ しかし、メルカリの仕組み上、相手の真実の氏名や住所等を確認することが困難です。
③ 警視庁も「フリマアプリでの仕入れは、適法な本人確認が極めて難しい」という見解を示しています。
※ 行政書士からの提言
「メルカリで仕入れてメルカリで売る」というビジネスモデル自体が、法的に維持しづらくなっているのが実情です。
現在(2026年)のスタンダードな対応としては、「メルカリShopsへの登録」と「古物商許可の取得」をセットで行い、適切な仕入れルートを開拓することが求められます。
3.古物商許可の申請手続きと必要書類
古物商の許可取得には、行政手続き特有の複雑な書類作成が欠かせません。
⑴ 申請場所と手数料
➀ 窓口:主たる営業所の所在地を管轄する警察署の生活安全総務課
➁ 手数料:19,000円(警察署の窓口で納付)
③ 問合せ先:管轄警察署の生活安全総務課(防犯営業第二係)
⑵ 必要書類(個人・法人別)
申請には「許可申請書」のほかに、以下の添付書類が必要です。住民票や身分証明書は、個人であれば本人と管理者分、法人であれば役員全員と管理者分が必要です。
個人の場合
➀ 略歴書(過去5年間の経歴を記載したもの)
➁ 住民票の写し(本籍地記載、外国籍の方は国籍等記載のもの)
③ 誓約書(欠格事由に該当しないことを誓う書面)
④ 身分証明書(市区町村が発行するもの。※運転免許証ではありません)
⑤ URLの使用権限を疎明する資料(ホームページを利用して取引を行う場合のみ)
法人の場合
➀ 法人の定款(原本証明が必要。書き方は後述)
➁ 登記事項証明書(法務局で取得)
③ 略歴書(役員全員および管理者分)
④ 誓約書(役員全員および管理者分)
⑤ 住民票の写し(役員全員および管理者分)
⑥ 身分証明書(役員全員および管理者分)
⑦ URLの使用権限を疎明する資料(該当する場合のみ)
4.間違いやすい「定款の原本証明」と「管理者選任」
⑴ 定款のコピーと原本証明の書き方
法人申請の場合、定款はコピーを提出しますが、末尾の余白(または最終ページの裏面)に、そのコピーが原本と相違ないことを証明する原本証明を記載し、代表者印(実印)を押印する必要があります。
原本証明の記載例
原本と相違ありません。
令和〇年〇月〇日
(法人の所在地)
(法人名)
代表取締役 (氏名) 代表者印(職印)
※定款が複数枚にわたる場合は、各ページの綴じ目(見開きの中央)に代表者印で割印(契印)を忘れないようにしましょう。
⑵ 管理者の選任について
古物営業法第13条第1項に基づき、営業所ごとに必ず1人の「管理者」を選任しなければなりません。管理者はその営業所における責任者であるため、遠方に住んでいるなど、常駐できない人物を選ぶことはできませんので注意してください。
まとめ
古物商許可は、ネット販売や小規模な転売であっても営利目的で行うなら必須の資格です。法令やプラットフォームの規約を遵守し、書類の不備なくスムーズに許可を取得して、安心して合法的な中古ビジネスを始めましょう。

