行政書士 佐野徳司 RTT行政書士事務所

許認可申請で失敗しない定款の「目的」の書き方と「原本証明」の正しいやり方

はじめに

 

新しく会社を設立するときや新規事業を立ち上げるとき、避けて通れないのが「許認可」の手続きです。

しかし、いざ役所に申請に行こうとした段階で、「定款の『目的』にこの文言が入っていないと受け付けられません」と窓口で断られてしまうケースが実は非常に多くあります。

今回は、法人の許認可と定款目的の深い関係、そして申請時に必須となる「定款の原本証明」の正しい作成手順について、実務のプロが分かりやすく解説します。

 

1.なぜ、許認可に「定款の目的」が必要なのか?

 

会社は個人と違って、定款に定めた「目的」の範囲内でしか活動(事業)を行うことができないという法律上のルール(権利能力の制限)があります。

 

そのため、特定の事業を行うために行政の「許認可」を申請する際、審査をする役所は必ず「この会社は、申請しようとしている事業を本当に行う資格(定款の裏付け)があるか」を確認します。

 

もし定款の目的に該当する事業内容が書かれていないと、「行う資格がない事業についての申請」とみなされ、そもそも窓口で受け付けてもらえません。

これが、許認可の手続きにおいて定款の目的が必要不可欠とされる理由です。

 

業種別:必要な許認可等と、定款に求められる「目的」の文例一覧

 

 

業種

必要な許認可等

定款に記載すべき目的(表現例)

飲食業

飲食店営業許可

飲食店の経営、カフェ・レストランの経営

風営法1号許可

社交飲食店営業許可(1号)

割烹、バー、キャバレー、スナック等の飲食店の経営

不動産業

宅地建物取引業免許

宅地建物取引業、不動産の売買・賃貸・管理および仲介

建設業

建設業許可

建設業、土木建築工事の請負、設計、施工および監理

旅館業

旅館業法に基づく許可(ホテル・旅館・簡易宿所など)

旅館業、ホテルおよび簡易宿所の経営、民泊事業

運送業

一般貨物自動車運送事業許可など

一般貨物自動車運送事業、貨物軽自動車運送事業

古物商

古物商許可

古物営業法に基づく古物商、中古衣料品および生活雑貨の販売・買取

レンタカー業

自家用自動車有償貸渡許可

自家用自動車有償貸渡業、レンタカー事業の経営

 

実務上の注意点

 

役所によっては「この文言が完全一致で入っていなければダメ」という厳格なローカルルールを設けている場合があります。

 

事前に申請先の自治体や警察署、管轄官庁に確認するか、手続きのプロに相談することをおすすめします。

 

もし、すでに会社を作っていて目的が足りない場合は、「定款変更(株主総会の決議と登記申請)」が必要になります。

 

これには登録免許税(3万円)や手続きの手間がかかるため、設立時に将来のビジネス展開を見据えて設計しておくことが非常に重要です。

 

2.許認可申請に欠かせない「定款の原本証明」とは?

 

許認可の手続きや、銀行での法人口座開設の際、役所や金融機関から「定款(原本証明付き)」の提出を求められることがあります。

 

定款の原本(最初に公証役場で認証してもらった紙や電子データ)は、会社に1部しかない極めて重要な書類です。

 

そのため、申請の際には「原本をコピーしたものに、代表者が『これは原本と間違いありません』と証明を添えて」提出します。この手続きを「原本証明」と呼びます。

 

原本証明の具体的なやり方

 

手順はシンプルですが、ルールを守っていないと書類不備で再提出になってしまいます。

 

➀ 定款の全ページをコピーする

表紙から最後のページまで、余さずきれいにコピーします。

 

➁ 製本(袋とじ)をする

ホチキスで留めた後、製本テープ(または帯状に切ったコピー用紙)で背表紙を包むように袋とじにします。

 

③ 裏表紙に「原本証明文」を記入して押印する

袋とじにした裏面に、以下のような証明文を記載し、「法人の代表者届出印(丸印・実印)」を押印します。

【原本証明の記載例】

 

写し(このコピー)は、当社の定款の原本と相違ないことを証明します。

令和〇年〇月〇日

東京都墨田区〇〇〇町〇丁目〇番〇号

〇〇株式会社

代表取締役 〇〇 〇〇 (代表者印)

※さらに、ページの継ぎ目(袋とじの境目)に、見開きごとに代表者印で契印(けいいん・割印)を押します。これにより、ページの差し替えや抜き取りが行われていないことを証明します。

 

まとめ

 

定款の作成や変更は、一度手続きをしてしまうと後から修正するのに時間も費用もかかります。

 

手戻りを防ぐためには、起業や新規事業のスタート前に「自分がやりたい事業にはどの許認可が必要か」「定款にどんな目的を書くべきか」を正確に洗い出しておくことが大切です。

 

「手続きに不安がある」「スムーズに事業を開始したい」という方は、ぜひお気軽に当事務所までご相談ください。

 

許認可申請についてご相談のある方は

行政書士 佐野徳司 RTT行政書士事務所
電話:03-6657-5593
FAX:03-6657-4858
メール:お問い合わせフォームよりご連絡ください

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