はじめに
宅建業免許は、新規取得時だけでなく5年ごとの更新が必須の重要な制度です。2025(令和7)年の様式変更やオンライン申請開始、さらに大臣免許の申請窓口変更など、最新の改正点を踏まえた新規・更新の要件や手続きを分かりやすく解説します。
1.宅建業免許の「新規」と「更新」共通の基本要件
宅建業免許を受け、またそれを維持するためには、以下の主要な要件をすべて満たす必要があります。
① 事務所の設置
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継続的に業務を行うことができる独立した空間であること。
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他の法人や居住スペースと明確に区別されていること(間仕切り等での遮断が必要)。
② 専任の宅地建物取引士(専任の取引士)の設置
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一つの事務所において、宅建業に従事する者5名に1名以上の割合で「専任の取引士」を設置すること。
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専任の取引士は、その事務所に常勤し、専ら宅建業の業務に従事できる状態でなければなりません。
③ 欠格事由に該当しないこと
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申請人(法人の場合は役員や政令使用人を含む)が、破産手続の開始決定を受けて復権を得ない者でないこと。
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過去5年以内に宅建業法違反や一定の刑罰に処されていないこと、など。
2.免許申請・更新手続きの全体フローと提出先
【新規申請の流れ】
➀ 事前準備: 事務所の確保、専任の取引士の確保、必要書類の収集。
➁ 申請書類の作成・提出: 手続きに応じた提出先(※下記参照)へ、窓口・郵送またはオンライン(eMLIT)にて提出。
③ 審査: 欠格事由の有無や事務所の実態などが審査されます(現在は60日程度の期間を要します)。
④ 免許通知・営業保証金の供託: 免許通知が届いた後、営業保証金を供託(または保証協会へ加入)。
⑤ 届出・営業開始: 供託完了の届出後、免許証が交付され営業が開始できます。
【更新申請の流れ】
➀ 有効期間の確認: 現在の免許証の有効期限(5年間)をチェック。満了日の90日前から30日前までに申請を行う必要があります。
➁ 申請書類の準備: 2025(令和7)年4月以降の新様式にて作成。
③ 申請方法の選択: 従来通りの「窓口・郵送」または「電子申請(eMLIT)」を選択して提出。
④ 審査・免許証の交付: 審査完了後、新しい免許証が交付されます。
【重要】知事免許と大臣免許で異なる「提出先」
令和6年5月25日以降、東京都などにおける大臣免許の「経由事務」が廃止されたため、免許の種類によって提出先が完全に分かれています。
➀ 知事免許(例:東京都知事免許): 東京都(都市整備局 不動産業課)の窓口、郵送、またはeMLIT。
➁ 大臣免許(例:本店が東京都で、他県にも支店がある場合): 関東地方整備局(埼玉県さいたま市)へ直接郵送・持参、またはeMLIT。※東京都の窓口では受付できません。
3.【重要】2025(令和7)年4月からの主な法改正・変更ポイント
更新および新規申請の際は、近年の法改正に伴う以下の変更点に十分注意してください。
① 様式の全面変更
2025(令和7)年4月1日受付分から新様式となっています。旧様式での申請は受付できないため注意が必要です。
② 略歴書の記載事項変更
役員・政令使用人の略歴書から「住所・電話番号・生年月日」が削除されました。これに伴い、別途「代表者等の連絡先に関する調書」の新設・作成が必要となっています。
③ 閲覧制限の導入
個人情報保護等の観点から、事務所等で一般閲覧できる書類が限定されました。そのため、自社で控える「副本」の保管管理がこれまで以上に重要です。
4.新規・更新時の必要書類一覧
主な必要書類は以下の通りです。
(※住民票を添付する場合は、マイナンバーの記載がないものをご用意ください)
書類名 |
新規申請 |
更新申請 |
備考 |
免許申請書(第1号様式) |
〇 |
〇 |
第1面〜第4面、別紙あり(新様式) |
宅地建物取引業経歴書 |
〇 |
〇 |
新規は「なし」と記載、更新は直近1年分 |
決算書の写し(法人の場合) |
〇 |
〇 |
新規は開始貸借対照表、更新は直近1期分 |
資産の状況を示す書面(個人の場合) |
〇 |
〇 |
預金残高証明書など |
納税証明書 |
〇 |
〇 |
法人税または所得税の証明書 |
身分証明書・登記されていないことの証明書 |
〇 |
〇 |
役員、政令使用人、専任の取引士等が対象 |
専任の宅地建物取引士設置証明書 |
〇 |
〇 |
※取引士本人の証明書(登録済証明書等)の添付は不要となりました |
事務所の写真 |
〇 |
〇 |
建物の外観、入口、内部(接客スペース)など |
代表者等の連絡先に関する調書 |
〇 |
〇 |
2025年4月より新たに追加された必須書類 |
5.オンライン申請と手数料の注意点
国土交通省の手続業務一貫処理システム「eMLIT」による電子申請が利用可能です。
① オンラインの申請先
-
知事免許(例:東京都): 各都道府県の窓口(eMLIT経由)
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大臣免許: 関東地方整備局(さいたま新都心)へ直接データ送信
② 手数料の支払いに関する留意点
eMLITによる電子申請を行う場合でも、現時点では手数料の電子納付に対応していない地域があります。その場合は、新規・更新の手数料(知事免許新規:33,000円、大臣免許新規:90,000円、更新:26,500円など)を、直接窓口へ持参するか、郵送(現金書留等)により指定の方法で納付する必要があります。事前に申請先(各自治体または関東地方整備局)の案内を確認してください。
まとめ
宅建業免許の手続きは、近年の様式変更や連絡先調書の追加、知事経由事務の廃止による大臣免許の窓口変更(埼玉県への直接申請)、オンライン化などにより大きく変化しています。
書類不備や提出先の間違いによるタイムロスを防ぐためにも、最新のルールを正確に把握し、余裕を持って準備を進めましょう。

