行政書士 佐野徳司 RTT行政書士事務所

自動車販売会社・整備工場による車庫証明・自動車登録手続きと行政書士法違反に関する注意点

はじめに

 

自動車の販売店やディーラーだけでなく、車検や構造変更などを扱う自動車整備工場においても、車庫証明申請や自動車登録の手続きにおける行政書士法違反のリスクに注意が必要です。

 

日本行政書士会連合会から公表された指針をもとに、どのような行為が違法となり得るのか、整備事業者や販売店が押さえるべきポイントを解説します。

 

1.車庫証明書の申請業務において違反と考えられる例

 

自動車販売会社や整備工場の担当者が、販売車や整備車に係る車庫証明申請書を作成代行する場合、作成費用を無料としていても、車両代金や整備代金・点検費用等に実質的な報酬が含まれているとみなされ、行政書士法違反となる可能性が高いです。

 

また、自社で管理している顧客情報や車両データベースを利用して申請書を作成することや、警察署へ提出した後に車台番号の追記や記載内容の訂正・補正を行うことも違反と考えられます。

 

警察署の担当者から訂正を求められた場合であっても、無資格者が補正を行うことはできません。

 

2.自動車の登録業務において違反と考えられる例

 

車検証の書き換えや名義変更、登録申請手続きについても同様の考え方が適用されます。

 

整備工場や販売店のスタッフが登録申請書を代行作成することは、名目上無料であっても実質的に報酬を得ているとみなされるため違法となり得ます。

 

自社のデータベース情報を利用した書類作成や、運輸支局等への提出後における追記、訂正、補正行為も行政書士法違反となるリスクがあります。

 

支局職員から指示された場合であっても、無資格での補正作業は行えません。

 

3.自動車販売会社・整備工場が取り組むべき周知徹底事項

 

行政書士法第19条第1項の改正により、名目の如何を問わず対価を得て書類作成を行うことが違法であることが明確化されました。

 

整備代金、点検料、会費、手数料、コンサルタント料などの名義にかかわらず、無資格での代行は禁止されます。

 

また、法人に対する両罰規定も強化されており、違反行為を行った従業員個人だけでなく、所属する事業者や会社に対しても百万円以下の罰金が科される可能性があります。

 

コンプライアンス違反は、刑事罰にとどまらず事業上の信用失墜や顧客離れなど経営に致命的な悪影響を与えます。

 

記載されていないケースであっても違法となり得る可能性があるため、現場で無自覚な違反が発生しないよう、自社内での社員教育と適切な手続き運用の徹底が求められます。

 

まとめ

 

自動車の販売や整備・点検に伴う登録・車庫証明手続きは、一歩間違えると事業者全体の信用を揺るがす行政書士法違反につながるリスクがあります。

法改正により規制や処罰規定の趣旨が明確化された今、販売店や整備工場は自社の業務フローを見直し、社内教育と適切な運用の徹底を図ることが大切です。

 

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