はじめに
旅館やホテル、簡易宿所を立ち上げる際、事前に把握しておきたいのが行政へ支払う「申請手数料」です。
実は、旅館業の許可申請手数料は全国一律ではなく、自治体の手数料条例によって金額や営業種別ごとの区分設定が大きく異なります。
本記事では、東京23区をはじめ、主要な政令指定都市や都道府県の旅館業申請手数料を一覧でわかりやすく解説します。
開業準備や資金計画の参考に、ぜひお役立てください。
1.東京23区の旅館業申請手数料一覧
東京23区の手数料体系は、各区の手数料条例により「30,600円 /16,500円」の標準額グループと、「22,000円 / 11,000円」のグループに分かれています。
特別区 |
旅館・ホテル営業 |
簡易宿所営業 |
下宿営業 |
千代田区 |
22,000円 |
11,000円 |
11,000円 |
中央区 |
22,000円 |
11,000円 |
11,000円 |
港区 |
22,000円 |
11,000円 |
11,000円 |
新宿区 |
30,600円 |
16,500円 |
16,500円 |
文京区 |
30,600円 |
16,500円 |
16,500円 |
台東区 |
30,600円 |
16,500円 |
16,500円 |
墨田区 |
30,600円 |
16,500円 |
16,500円 |
江東区 |
30,600円 |
16,500円 |
16,500円 |
品川区 |
22,000円 |
11,000円 |
11,000円 |
目黒区 |
30,600円 |
16,500円 |
16,500円 |
大田区 |
30,600円 |
16,500円 |
16,500円 |
世田谷区 |
30,600円 |
16,500円 |
16,500円 |
渋谷区 |
30,600円 |
16,500円 |
16,500円 |
中野区 |
30,600円 |
16,500円 |
16,500円 |
杉並区 |
30,600円 |
16,500円 |
16,500円 |
豊島区 |
30,600円 |
16,500円 |
16,500円 |
北区 |
30,600円 |
16,500円 |
16,500円 |
荒川区 |
30,600円 |
16,500円 |
16,500円 |
板橋区 |
30,600円 |
16,500円 |
16,500円 |
練馬区 |
30,600円 |
16,500円 |
16,500円 |
足立区 |
30,600円 |
16,500円 |
16,500円 |
葛飾区 |
22,000円 |
11,000円 |
11,000円 |
江戸川区 |
30,600円 |
16,500円 |
16,500円 |
2.主要政令指定都市の手数料一覧
大都市圏の政令指定都市では、営業種別(旅館・ホテル / 簡易宿所)によらず「一律22,000円」に設定している自治体が多く見られます。
自治体 |
旅館・ホテル営業 |
簡易宿所営業 |
下宿営業 |
大阪市 |
22,000円 |
22,000円 |
22,000円 |
横浜市 |
22,000円 |
22,000円 |
22,000円 |
名古屋市 |
22,000円 |
22,000円 |
22,000円 |
福岡市 |
22,000円 |
22,000円 |
22,000円 |
札幌市 |
22,800円 |
20,500円 |
20,500円 |
仙台市 |
22,000円 |
22,000円 |
22,000円 |
広島市 |
22,000円 |
22,000円 |
22,000円 |
京都市 |
22,000円 |
11,000円 |
11,000円 |
3.その他の政令指定都市の手数料一覧
千葉市やさいたま市のように、22,000円とは若干異なる独自の設定をしている自治体もあります。
自治体 |
旅館・ホテル営業 |
簡易宿所営業 |
下宿営業 |
神戸市 |
22,000円 |
22,000円 |
22,000円 |
川崎市 |
22,000円 |
22,000円 |
22,000円 |
千葉市 |
23,000円 |
23,000円 |
23,000円 |
さいたま市 |
24,000円 |
24,000円 |
24,000円 |
相模原市 |
22,000円 |
22,000円 |
22,000円 |
浜松市 |
22,000円 |
22,000円 |
22,000円 |
静岡市 |
22,000円 |
22,000円 |
22,000円 |
堺市 |
22,000円 |
22,000円 |
22,000円 |
北九州市 |
22,000円 |
22,000円 |
22,000円 |
熊本市 |
22,000円 |
22,000円 |
22,000円 |
新潟市 |
22,000円 |
22,000円 |
22,000円 |
岡山市 |
22,000円 |
22,000円 |
22,000円 |
4.都道府県(管轄区域)の傾向と代表例
保健所を自前で設置していない一般市町村の区域では、都道府県の手数料条例が適用されます。
➀ 都道府県の相場
旅館・ホテル営業で21,000円〜30,600円程度
➁ 代表的な自治体例
・ 北海道(道管轄)
旅館・ホテル 24,900円 / 簡易宿所 21,100円
・ 神奈川県・大阪府・京都府(府管轄)・兵庫県・福岡県
一律 22,000円
・ 沖縄県
旅館・ホテル 30,600円 / 簡易宿所16,500円
5.実務上の注意点・留意事項
➀ 地位承継(事業譲渡・相続等)の手数料
事業譲渡や法人合併・相続に伴う「地位の承継承認申請」の手数料は、新規許可申請とは別に設定されています。目安として東京23区(30,600円区)は9,700円、多くの政令指定都市等は7,400円 前後となっています。
➁ 管轄保健所の確認
同じ都道府県内であっても、政令指定都市や中核市(保健所設置市)の区域内にある場合は、都道府県条例ではなく市独自の手数料条例が適用される点に注意してください。
➂ 納付方法の違い
特別区や政令都市の多くは保健所窓口での現金納付や納付書決済(一部キャッシュレス対応)ですが、都道府県管轄の場合は「都道府県収入証紙」を購入して貼り付ける形式をとるケースが多くなっています。
まとめ
旅館業の申請手数料は、東京23区のように営業種別(ホテル・簡易宿所)で分かれている自治体もあれば、政令指定都市のように一律22,000円前後に統一されている地域もあります。
また、事業譲渡等の承継手続き時にも別途手数料が発生するため、計画段階で管轄保健所の最新情報を確認することが大切です。

