はじめに
インバウンド需要の回復とともに、東京23区での民泊やホテルなどの宿泊ビジネスが再び熱を帯びています。
これから民泊投資や宿泊業への参入を検討している方にとって、どのエリアにどれだけの宿泊施設が存在するのかは非常に重要な指標です。
本記事では、観光庁や自治体の最新データをもとに、東京23区別の民泊(住宅宿泊事業)件数ランキングと、ホテル・旅館・簡易宿所を含む「旅館業」の件数を一覧でわかりやすく解説します。
1.東京23区の宿泊施設件数一覧(民泊 vs 旅館業)
23区全体の現在稼働中民泊(住宅宿泊事業)は約1.5万件、ホテルや旅館・簡易宿所などの「旅館業」営業許可施設数は約4,500件となっています。
順位 |
区名 |
民泊稼働件数 |
民泊累計届出 |
旅館業(ホテル・簡易宿所等) |
1 |
新宿区 |
3,600件 |
5,140件 |
約1,050件 |
2 |
墨田区 |
1,989件 |
2,804件 |
約380件 |
3 |
豊島区 |
1,867件 |
2,907件 |
約420件 |
4 |
渋谷区 |
1,471件 |
2,503件 |
約310件 |
5 |
台東区 |
1,341件 |
2,231件 |
約850件 |
6 |
港区 |
840件 |
1,338件 |
約220件 |
7 |
大田区 |
821件 |
1,210件 |
約280件(※特区民泊除く) |
8 |
北区 |
570件 |
782件 |
約90件 |
9 |
世田谷区 |
505件 |
705件 |
約60件 |
10 |
江戸川区 |
447件 |
650件 |
約50件 |
11 |
杉並区 |
429件 |
580件 |
約40件 |
12 |
中野区 |
397件 |
632件 |
約60件 |
13 |
葛飾区 |
396件 |
716件 |
約70件 |
14 |
板橋区 |
395件 |
596件 |
約50件 |
15 |
文京区 |
337件 |
459件 |
約70件 |
16 |
足立区 |
285件 |
425件 |
約60件 |
17 |
品川区 |
269件 |
412件 |
約120件 |
18 |
中央区 |
105件 |
123件 |
約180件 |
19 |
練馬区 |
104件 |
142件 |
約20件 |
20 |
江東区 |
55件 |
110件 |
約110件 |
21 |
千代田区 |
43件 |
51件 |
約130件 |
22 |
目黒区 |
31件 |
51件 |
約40件 |
23 |
荒川区 |
26件 |
106件 |
約80件 |
※民泊データ出典:観光庁「住宅宿泊事業法に基づく届出状況」
※旅館業データ:東京都衛生統計・各区保健所公表データに基づく概数
(ホテル・旅館営業および簡易宿所営業の合計)
2.地域別の主な傾向とポイント
➀ 上位エリアへの圧倒的集中
新宿区・墨田区・豊島区・渋谷区・台東区の上位5区で、23区全体の民泊稼働数の約67%を占めています。
主要ターミナル駅や観光地を擁するエリアは、民泊・旅館業ともに高密度で展開されています。
➁ 「上乗せ条例」による制限と民泊数の差
中央区・千代田区・目黒区・江東区などは、住居専用地域等での営業日数を制限する厳しい上乗せ条例があるため、民泊の件数が極めて少なくなっています。
一方で、中央区や千代田区などはビジネス需要が高く、民泊よりも「旅館業(ホテル)」の比率が高いのが特徴です。
➂ 旅館業(簡易宿所も含む)・特区民泊という選択肢
大田区では住宅宿泊事業(180日制限)に加えて、年間365日営業が可能な「国家戦略特区民泊」の認定物件が多数存在します。
また、墨田区や台東区では民泊から旅館業へシフトして通年営業を目指す事業者も増えています。
まとめ
東京23区の宿泊市場は、新宿・墨田・豊島などの上位エリアに民泊が集中する一方、行政ごとの上乗せ条例によってエリアごとの参入ハードルが大きく異なります。
また、180日制限のある民泊だけでなく、通年営業が可能な「旅館業」を選択するケースも増えています。
新規参入や投資を検討する際は、希望エリアの条例制限や旅館業との競合状況をしっかり見極めることが成功の鍵となります。

