はじめに
遺言書のデジタル化が着実に進んでいます。
2025年度から公正証書遺言の電子保存が本格運用され、手続きの利便性が飛躍的に向上しました。
先週、私自身が公証役場で体験した最新の電子認証プロセスを交え、現在の遺言作成の最前線を詳しくお伝えします。
※公正証書遺言作成の最新フロー
1.原案作成までの流れ(現行通り)
公正証書遺言の準備段階は、これまでと変わりません。
まずは行政書士などの専門家と相談しながら、遺言の内容を精査します。
相続人の特定や財産目録の整理を行い、公証人と事前に打ち合わせをして「遺言原案」を確定させます。
2.公証役場での最新デジタル手続き
当日、公証役場で行う署名・捺印のプロセスがデジタル化されました。
⑴ 公証人による遺言の内容読み合わせ
公証人により本人、証人2名へ遺言文面の読み合わせと確認を行います。
内容に相違がなければ次のステップに進みます。
⑵ 電子認証と署名
紙への署名捺印に代わり、タブレット端末を使用します。
遺言者本人、証人2名、そして公証人がそれぞれタブレット上で電子署名を行います。
⑶ 公証人のデジタル印
最終的に公証人がデジタル印を押印することで、電子的な認証が完了します。
3.謄本の発行と原本のクラウド保存
⑴ 即時の書面発行
手続き完了後、その場でプリントアウトされた「正本」および「謄本」が発行されます。
これらは従来通り、手元で保管する公的な書類となります。
通常、正本は遺言執行者、謄本は本人が保管します。
⑵ クラウド一括管理
遺言の「原本」は公証役場の専用クラウドに保存されます。
これにより、将来的に全国どこの公証役場からでも遺言の存在や内容を確認することが可能になり、紛失や改ざんのリスクが大幅に軽減されました。
※自筆証書遺言の現状と展望
⑴ デジタル形式での作成議論
現在、PCやタブレット、スマホを使ったデジタル作成を制度化する議論が法務省などで進行中です。
⑵ 本人確認のハードル
デジタル技術による本人確認や意思確認の担保には、まだ少し時間が必要とされています。
新制度が整うまでは、現行の自筆証書遺言制度を適切に利用し、必要に応じて将来見直す形が推奨されます。
まとめ
公正証書遺言のデジタル化により、署名から保存までがスムーズかつ安全に行えるようになりました。
完全なペーパーレス化にはまだ時間を要しますが、クラウド保存のメリットは計り知れません。
最新制度を活用し、行政書士のアドバイスのもとで、確実で有効な遺言書を作成しましょう。

