遺言書は、大切な家族へ想いと財産を託す重要な書類です。
今回は、ご自身で作成する「自筆証書遺言」について、法的に有効で、かつ後々のトラブルを防ぐために記載すべき具体的な内容を5つのポイントに絞って解説します。
自筆証書遺言に記載する主な内容
1.遺言者の特定情報
誰の遺言であるかを明確にするため、以下の情報を正確に記載します。
⑴ 氏名
⑵ 生年月日
⑶ 住所(必須ではありませんが、特定をより確実にするために推奨されます)
2.財産の内容と分け方(遺産の分割方法)
どの財産を誰に、どのような形で引き継ぐのか(相続・遺贈)を具体的に明記します。
⑴ 預貯金
銀行名、支店名、種別、口座番号まで記載。
⑵ 不動産
登記簿謄本の表記通りに所在や地番を記載。
⑶ 株式
社名や株数などを特定。
例
「〇〇銀行〇〇支店の普通預金(口座番号1234567)は長男〇〇に相続させる」
3.遺言執行者の指定(任意)
遺言の内容をスムーズに実行してもらうため、
手続きを任せる「遺言執行者」を指定しておくことができます。
例
「本遺言の遺言執行者として、〇〇(住所:〇〇、生年月日:〇〇)を指定する」
4.特別な配慮・付言事項(任意)
法的拘束力はありませんが、家族へのメッセージや感謝の気持ち、なぜこのような分け方にしたのかという理由を添えることができます。
例
「長年寄り添ってくれた妻に感謝を込めて、自宅を相続させます。家族仲良く過ごしてほしいと願っています」
5.作成日と署名・押印(必須)
これらが欠けると遺言書が無効になるため、最も注意が必要です。
⑴ 日付
〇年〇月〇日と正確に。
⑵ 署名
必ず遺言者本人の自筆でフルネームを記載。
⑶ 押印
認印でも有効ですが、なりすましを防ぐため「実印」を推奨します。
注意点(形式面)
⑴ 原則、全文自筆
財産目録についてはパソコン作成が可能ですが、その全てのページに署名・押印が必要です。
⑵ 訂正のルール
書き間違いを修正する場合、法律で定められた厳格な方式(訂正箇所の指示、署名、押印)が必要なため、書き直しをお勧めします。
まとめ
自筆証書遺言は手軽に作成できる反面、形式が一つでも不備があると無効になるリスクがあります。せっかくの想いを確実に届けるためにも、内容の精査や形式チェックについては、行政書士などの専門家へ事前に相談することをお勧めいたします。

