はじめに
「認知症対策には何が最適か」と悩む方は多いですが、家族信託と成年後見制度は役割が大きく異なります。
財産を守る自由度や費用など、両者の違いを正しく理解して、ご家族の状況に合った選択をするためのヒントをお伝えします。
家族信託と成年後見制度の主な違い
以下の表に、実務で重要となるポイントを整理しました。
比較項目 |
家族信託(民事信託) |
成年後見制度 |
主な目的 |
積極的な財産管理・承継 |
本人の権利保護・身上保護 |
開始時期 |
判断能力があるうちに契約 |
判断能力が低下した後に開始 |
財産の運用 |
柔軟に可能(売却や活用など) |
原則不可(財産の維持が優先) |
家庭裁判所の関与 |
なし(家族間で完結) |
あり(監督を受ける) |
毎月の費用 |
原則なし |
あり(専門職後見人の場合) |
身上保護 |
できない(契約のみ) |
できる(施設入所等の契約) |
1.財産管理の自由度
家族信託は、本人の希望に沿って「孫の教育資金にする」「収益物件を建て替える」といった柔軟な運用が可能です。
一方で成年後見制度は、本人の財産を「減らさないこと」が最優先されるため、積極的な資産運用や節税対策は難しくなります。
2.費用の違い
家族信託は、初期費用(契約書作成や登記)はかかりますが、その後の月額報酬は発生しません。
成年後見制度(特に専門職が選任された場合)は、本人が亡くなるまで毎月数万円の報酬を支払い続ける必要があります。
3.身上保護(生活のサポート)
ここが成年後見制度の強みです。
後見人には「身上保護権」があり、介護施設の入所契約や病院の手続きを代理で行えます。
家族信託の受託者にはこの権限がないため、生活面での法律手続きには対応できません。
まとめ
柔軟な財産管理や節税を望むなら「家族信託」、生活全般の法的な守りを重視するなら「成年後見制度」が適しています。
どちらか一方ではなく、両方を組み合わせる方法もあるため、まずは専門家に現状を相談することをお勧めします。
家族信託・遺言書作成・相続についてのご相談は
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